結論:国の指針は「床に長期に横たわる」健康被害を避けるためベッドの設置が望ましいとし、簡易ベッドと冷暖房機器を整備品目に挙げています。

なぜ避難所の床に直接寝てはいけないのですか?

内閣府(防災担当)の「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)は「床に長期に横たわっていると、エコノミークラス症候群を引き起こすだけでなく、埃等を吸い込むことによる健康被害も心配されるため、ベッドの設置が望ましいこと」と明記しています。床から体を離すことは、寒さ対策と血栓・呼吸器の健康対策を同時に進める手段です。

簡易ベッドはいつ、どのように設置するのですか?

同じ指針は、段ボールベッドやエアーベッド等の簡易ベッドを「各避難所において備蓄し、避難所の開設時に設置する」ことが重要だとし、全員分が行き渡らない場合は「あらかじめ定めていた優先する者(高齢者、障害者、女性等)に提供すること」と定めています。開設のその日に立てる前提で、保管場所・搬出手順・優先順位を平時に決めておきます。

寒さ対策として他に何を備えればいいですか?

指針は災害対策基本法第86条の6に基づく整備品目として「畳、マット、カーペット、段ボールベッド等の簡易ベッド」「間仕切り用パーティション」「冷暖房機器」を挙げ、「暑さ寒さ対策」を生活環境の改善対策に含めています。あわせて「避難所の規模や設備状況に応じて適切な冷暖房の整備や備蓄を進めることが適切」としています。

自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?

備蓄数と保管場所、開設時に立てる人員と手順書、年1回の設置訓練を計画に入れてください。指針は保健師等と連携して「簡易ベッドの有効性・必要性を避難者に周知すること」も求めています。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)のシェルベッド SBOT70は、バンドを外して開くだけの約10秒で組み立てられ、耐荷重300kg(7日間)・1台約6.3kg・収納時約105×24×17cmです。

よくある質問

Q. 段ボールベッドと折りたたみベッドはどちらがよいですか?

A. 指針はどちらかを指定せず、段ボールベッド、エアーベッド等の簡易ベッドを開設時に設置できることを重視しています。段ボールベッドについては「業界団体の推奨規格に留意すること」とされています。

Q. 毛布を重ねれば床でも十分ではありませんか?

A. 指針はエコノミークラス症候群や埃を吸い込む健康被害を挙げ、ベッドの設置が望ましいとしています。毛布は保温に役立ちますが、床から体を離す代わりにはなりません。

Q. 家庭でできる備えはありますか?

A. 自宅避難用に床に直接寝ないためのマットや折りたたみベッドを用意し、自治体の設置訓練に一度参加しておくことです。

まとめ

簡易ベッドは寒さ対策であると同時に、国の指針が求める健康対策です。備蓄・開設時設置・優先順位・訓練を先に決めましょう。出典:内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)避難所の生活環境対策(内閣府)