結論:国の指針は段ボールベッド等を避難所の開設時に設置し、平時から住民の設置訓練を求めています。組み立て体験は「初日から床に寝ない避難所」への最短の備えです。

なぜ避難所に段ボールベッドが必要なのですか?

床に長く横たわると、エコノミークラス症候群だけでなく、床の埃を吸い込む健康被害も起こります。内閣府(防災担当)の「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)はこの点を明記し、段ボールベッド等の簡易ベッドを各避難所で備蓄して開設時に設置することが重要だとしています。スフィア基準に沿った1人当たり最低3.5㎡の居住スペースも求めています。

組み立て体験は何のために行うのですか?

同じ指針は、実際に地域住民に使用してもらうことも含め、平時から簡易ベッドの設置訓練を行うよう自治体に求めています。開設直後の避難所は職員が数人です。住民が一度でも組み立てを経験していれば、初日の設営は「職員の作業」から「みんなの作業」に変わります。強度と暖かさを自分の体で確かめた経験が、避難者の不安を和らげ、運営を円滑にします。

組み立て体験で確認しておくべきことは何ですか?

見ておきたいのは3点です。①保管場所と搬出経路(倉庫から何分で出せるか)②組み立て時間(1台の所要時間と10台を並べる人数)③優先順位です。指針は、全員分が行き渡らない場合は高齢者・障害者・女性等の優先する者へ先に提供するよう定めています。誰に先に渡すかも訓練で決めておきましょう。

自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?

備蓄数量とあわせて「開設時に誰が立ち上げるか」の手順書と年1回の設置訓練を計画に入れてください。段ボールベッドは業界団体の推奨規格に留意して選ぶことが指針に明記されています。組み立てに時間がかかる場合は、折りたたみ式の簡易ベッドを一定数組み合わせる方法があります。Ten All Ten Pillar株式会社のシェルベッド SBOT70はバンドを外して開くだけの約10秒で組み立てられ、耐荷重300kg(7日間)・1台約6.3kg・収納時約105×24×17cmです。開設直後の「最初の10台」を数分で立てられます。

よくある質問

Q. 避難所のベッドはいつ設置すればよいですか?

A. 内閣府の取組指針は「避難所の開設時に設置する」ことが重要だとしています。

Q. 全員分のベッドが足りないときはどうしますか?

A. 指針は、あらかじめ定めた優先する者(高齢者、障害者、女性等)に先に提供し、不足分は民間事業者との協定などで速やかに調達するよう求めています。

Q. 家庭でできる備えはありますか?

A. 自宅避難用に床に直接寝ないためのマットや折りたたみベッドを用意し、自治体の設置訓練に一度参加しておくことです。

まとめ

段ボールベッドの組み立て体験は、「開設時に設置する」という国の指針を実行するための訓練です。自治体は備蓄・手順書・年1回の訓練を、住民は一度の参加を。出典:内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)/避難所の生活環境対策(内閣府)