結論:被災地のごみは「避難所ごみ・生活ごみ」と「片付けごみ(仮置場)」で出す先が違います。環境省の指針は保管場所と収集ルートの事前決定と住民への周知を求めます。

なぜ発災直後にごみ集積所を決める必要があるのですか?

環境省の「災害廃棄物対策指針(改定版)」(平成30年3月)は「災害時には、通常の生活ごみに加えて、避難所ごみや片付けごみ、仮設トイレ等のし尿を処理する必要がある」とし、被災市区町村は「生活ごみ、避難所ごみ、仮設トイレ等のし尿の収集方法を検討し、住民に周知する」と定めています。指針は夏季の「廃棄物の腐敗…感染症の発生・まん延」も懸念しています。

避難所ごみと片付けごみは何が違うのですか?

指針は避難所ごみを「避難所から排出されるごみで、容器包装や段ボール、衣類等が多い。事業系一般廃棄物として管理者が処理する」と定義し、「避難所ごみを含む生活ごみは、仮置場に搬入せず既存の施設で処理を行う」としています。一方、片付けで出る家具・家電・瓦などの災害廃棄物は仮置場へ運びます。区別が伝わらないと、避難所の周りに片付けごみが積まれ、仮置場に生ごみが混ざります。

自治体はどんな準備をしておくべきですか?

指針は平時の準備として「避難所から排出される廃棄物の保管場所・方法、収集運搬ルートを検討する」こと、避難所ごみの「一時的な保管場所の確保」を挙げています。住民への啓発事項は「①仮置場への搬入に際しての分別方法②腐敗性廃棄物等の排出方法③便乗ごみの排出、混乱に乗じた不法投棄及び野焼き等の不適正な処理の禁止」です。集積場所・分別・回収日を紙1枚にして開設時に掲示できるひな形を作っておきます。

避難所の運営者・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?

ごみの集積場所は居住区画から離し、出入口の外に置くのが基本です。区画づくりと同じ日に決めると衛生と居住性を同時に確保できます。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、避難所の世帯区画をつくるプライバシーテント「シェルパー」と簡易ベッド「シェルベッド」を自治体向けに提供しています(防災事業ページ)。居住区画・トイレ・ごみ置き場の配置図を開設前にまとめましょう。

よくある質問

Q. 避難所のごみは仮置場に持ち込めますか?

A. 環境省の指針は「避難所ごみを含む生活ごみは、仮置場に搬入せず既存の施設で処理を行う」としています。仮置場は片付けごみ(災害廃棄物)の場所です。

Q. 生ごみはどう出せばよいですか?

A. 指針は腐敗性廃棄物等の排出方法を住民に啓発するよう求めています。回収日まで密閉して直射日光を避けます。

Q. 壊れた家具は家の前に出してよいですか?

A. 自治体が公表する仮置場へ分別して運ぶのが原則です。指針は混乱に乗じた不法投棄や野焼きの禁止を啓発事項に挙げています。

まとめ

被災地のごみは「出す先」を初日に示せるかで衛生が決まります。避難所ごみの保管場所・収集ルート・周知ひな形を平時に用意しましょう。出典:環境省災害廃棄物対策指針(改定版・平成30年3月・PDF)/災害廃棄物対策指針について(災害廃棄物対策情報サイト)