結論:国の指針は、聴覚障害のある避難者に掲示板・手話通訳・遠隔手話サービス・要約筆記・文字放送で情報を届けるよう求めています。遠隔手話は通訳者不足を補います。
なぜ避難所で聴覚障害者の情報格差が起きるのですか?
避難所の連絡は放送や口頭が多く、聞こえない人には「配給が始まった」「余震に注意」が届きません。内閣府の「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)は「障害児者等には情報が伝達されにくいことから、避難者の状態に応じ…伝達の方法を工夫すること」と定め、聴覚障害児者には「掲示板、ファクシミリ、手話通訳、遠隔手話サービス、要約筆記、文字放送等」を例示しています。
遠隔手話サービスとは何ですか?
タブレットやスマートフォンの映像通話で、離れた場所にいる手話通訳者が避難者と運営者の会話を通訳する仕組みです。指針は、救助要員が不足する場合に都道府県へ「手話通訳者、通訳介助者等の必要な職員の応援派遣を要請すること」も求めていますが、発災直後に通訳者が全避難所へ来ることは難しく、遠隔手話は到着までの空白を埋めます。避難所側には通信環境・充電・端末の保管・操作担当者が必要です。
手話以外にどんな手段を用意すべきですか?
指針が挙げるとおり、手段は複数を組み合わせます。①掲示板=放送内容を必ず紙にも書いて掲示する ②要約筆記・筆談=ホワイトボードや筆談ボードを受付と各区画に置く ③文字放送・テレビの字幕=共用スペースで字幕を常時オンにする。受付で「聞こえにくい」と申し出やすい表示を用意し、伝達経路を最初に決めます。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
情報保障の道具と一緒に、聞こえない人が安心して過ごせる区画の準備も必要です。手話や筆談、体調の相談は人前では行いにくいためです。Ten All Ten Pillar株式会社のシェルパー 2-14Z4は約200×200cm・重さ約6.5kgのポップアップ式で約1分で設営でき、開口部に段差がないバリアフリー構造、中の間仕切りで2名が使えます。区画の中で遠隔手話を使えば、通訳の内容を周囲に聞かれずに済みます。
よくある質問
Q. 手話通訳者はどこから来ますか?
A. 内閣府の取組指針は、救助要員が不足する場合に市町村が都道府県へ手話通訳者・通訳介助者等の応援派遣を要請するよう定めています。到着までは遠隔手話サービスや筆談で補います。
Q. 遠隔手話に必要な設備は何ですか?
A. 映像通話ができる端末、通信環境、充電手段、サービス提供者との事前契約です。停電時のモバイルバッテリーも備えます。
Q. 手話が分からない運営者は何ができますか?
A. 指針が例示する掲示板・要約筆記・文字放送は手話を使いません。放送内容を紙に書いて掲示し、筆談ボードを置くことから始められます。
まとめ
聞こえない人への情報保障は、国の指針が示す複数手段の組み合わせで実現します。遠隔手話の端末、掲示・筆談の道具、安心して使える区画を平時に揃えましょう。出典:内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)