結論:貼る場所は「段差の始点と終点」、そして床から1メートル以下。貼るだけでは光りません。
どこに貼るのが適切なのですか?
消防庁予防課長通知(消防予第177号・平成22年4月9日)は、蓄光式誘導標識について「階段、傾斜路、段差等のある場所においては、転倒、転落等を防止するため、その始点及び終点となる箇所に、蓄光式誘導標識を設けることが適当であること」と示しています。高さについても「床面又は床面からの高さがおおむね1メートル以下の避難上有効な箇所」とされています。目線の高さではなく、足元です。
貼っておけば停電時に光るのですか?
条件があります。同通知は「一般的な蛍光灯による照明下において、高輝度蓄光式誘導標識が設けられており、当該箇所における照度が200ルクス以上である場合には、停電等により通常の照明が消灯してから20分間経過した後における蓄光式誘導標識の表示面が100ミリカンデラ毎平方メートル以上の平均輝度となるものとみなしてさしつかえない」としています。裏を返せば、普段から光が当たっていない暗い場所に貼っても、消灯後の明るさは担保されません。
LED照明の家では何に気をつけますか?
同通知は「現在流通しているLED照明器具は、可視光領域での照度が同レベルであっても紫外線強度は蛍光灯より小さいものが一般的である」として、特に留意が必要としています。蓄光材料は紫外線で光をためるため、明るさが同じでも同じようにはたまりません。また床や巾木に貼る場合は「耐摩耗性や耐水性を有するものを設置することが適当」とされています。掃除で擦れる場所ほど、素材を選んでください。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
足元の表示に加えて、暗い中でも自分の区画が分かる仕切りがあると動線が乱れません。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)のポップアップ式プライバシーテント「シェルパー 2-14Z2」は、工具もパーツも使わず約1分で設置でき、重さ約6kg、展開時 約200×200cm、厚さ2mmの床用アルミシートが標準で付きます(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. 蓄光テープを貼れば、非常灯の代わりになりますか?
A. なりません。同通知は「蓄光式誘導標識が設けられていることをもって、当該箇所における通路誘導灯を免除することはできない」としています。建物の設備としては補完する位置づけです。
Q. 明るさの基準はどう決まっているのですか?
A. 消防庁告示第2号は「高輝度蓄光式誘導標識」を「照射後表示面が百ミリカンデラ毎平方メートル以上の平均輝度を有する蓄光式誘導標識」と定めています。製品を選ぶときの比較軸になります。
まとめ
貼る場所は段差の始点と終点、高さは床から1メートル以下、そして普段から光を当てておくこと。この三つが揃って初めて働きます。出典:消防庁蓄光式誘導標識等に係る運用について(消防予第177号・PDF)