結論:国のガイドラインは、電子版お薬手帳に「オフラインでも動作可能」であることを求めています。確認は今日できます。
通信が止まったら、薬の記録は見られなくなるのですか?
そうならない設計が求められています。厚生労働省の「電子版お薬手帳ガイドライン」(令和5年3月31日)は、データの保存について「電子版お薬手帳サービスのデータはクラウド上に保存すること等が想定されるが、災害時等オンライン通信が確保できない事態に備え、スマートフォンに直近の一定期間/回数のデータを保存できるようにする」と示しています。通信が前提のサービスだからこそ、手元に残す仕組みを別に持たせるという考え方です。
アプリ側には何が求められているのですか?
同ガイドラインは「実装すべき機能(電子版お薬手帳サービスとして最低限実施すべき機能)」の中で、「なお、災害時を想定し、当該情報をスマートフォンに保存できるようにするなど、オフラインでも動作可能なものとする」と明記しています。表示すべき中身も決まっており、「最低限、医薬品名、一般名、処方・調剤日(一般用医薬品等の場合は服用日)、用法・用量を表示する」とされています。
紙のお薬手帳はもう不要ですか?
不要とはされていません。同ガイドラインは「医療機関においては紙で電子版お薬手帳の内容を確認したいとのニーズがあることから、情報のPDF化等により、紙等での出力を可能とする機能を実装する」としています。避難先の救護所では、画面を見せるより紙を渡すほうが早い場面があります。落ち着いているうちに一度出力しておくことが、そのまま備えになります。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
持病のある方が服薬を続けられる環境として、情報だけでなく横になれる場所も要ります。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、ポリエチレンとナイロンの三層構造で耐荷重200kg、展開時 約200×70×6cm、収納時は約17×11×4.5cmまで小さくなる専用ポンプ付きのエアーマット「シェルエアベッド SAB 20-70-6」を、避難所や車中泊向けに提供しています(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. マイナポータルと連携していれば、それで足りますか?
A. 同ガイドラインは「マイナポータルAPI 連携による薬剤情報の取り込みのみが可能となっているアプリケーションは電子版お薬手帳としては認められないことに留意する」としています。連携は補完であり、それだけでは電子版お薬手帳とはみなされません。
Q. 手元に残すのは何日分あればよいですか?
A. ガイドラインは「直近の一定期間/回数」と示すにとどめ、日数は定めていません。現在服用中の薬が漏れなく表示されるかどうかを、実際に機内モードにして確かめてください。
まとめ
アプリを入れたことと、通信が切れても見られることは別です。機内モードで開いて、薬の名前と用法・用量が出るかを一度だけ確かめてください。出典:厚生労働省電子版お薬手帳ガイドライン(令和5年3月・PDF)