結論:受水槽は法令で毎年一回以上の掃除と検査が必要です。買い替え年数を定めた公的な基準はありません。
タンクの点検周期に決まりはあるのですか?
あります。水道法施行規則第55条は、簡易専用水道の管理基準として「水槽の掃除を毎年一回以上定期に行うこと」と定めています。さらに第56条は「法第三十四条の二第二項の規定による検査は、毎年一回以上定期に行うものとする」としています。ビルやマンションの受水槽は、この年1回が下限です。
掃除のほかに何が求められていますか?
同条は「水槽の点検等有害物、汚水等によつて水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること」を挙げ、「給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたとき」は水質検査を行うこととしています。掃除は入口で、日常の観察が本体です。
水がおかしいと気づいたらどうするのですか?
第55条第4号は「供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知つたときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること」と定めています。止めるだけでなく、危険であることを知らせるところまでが義務です。なお、家庭で使うポリタンクや折りたたみ式の給水袋は簡易専用水道ではないため、この基準の対象外です。製品の取扱説明書に従ってください。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
内閣府(防災担当)の取組指針は「飲料水の他に、トイレや入浴、避難所の清掃、洗濯、器材の洗浄などの用途に欠かせない『生活用水』の確保が必要になる」とし、「平時からタンク、貯水槽、防災井戸等の整備に努めておき、衛生的な水を継続的に確保すること」を求めています。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、こうした避難所の生活環境づくりを支える資機材の供給と、自治体向けの防災備蓄のご相談に取り組んでいます(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. 「5年で交換」という基準は法令にありますか?
A. 水道法施行規則が定めているのは掃除と検査の頻度で、水槽やタンクの交換年数は定めていません。買い替え時期は製品ごとの表示や取扱説明書によります。
Q. 検査は誰に頼めばいいのですか?
A. 簡易専用水道の検査は、水道法に基づき登録を受けた検査機関が行います。所在地の自治体の水道担当窓口で確認できます。
まとめ
年1回の掃除と検査、異常時は止めて知らせる。これが法令の骨格です。飲料水と生活用水を分けて考えることが、その先の備えになります。出典:e-Gov 法令検索水道法施行規則(昭和三十二年厚生省令第四十五号)/内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)