結論:避難所の衛生管理は、石けんと流水の手洗い、次亜塩素酸ナトリウムによる処理、換気・清掃、生活用水の確保を組み合わせます。アルコール消毒だけでは足りません。
なぜアルコール消毒だけでは足りないのですか?
厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」は「消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが」と注意し、「手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。調理を行う前、食事の前、トイレに行った後には必ず行いましょう」としています。アルコールに頼る備えには穴があります。
何を備えればいいですか?
同Q&Aは、ノロウイルスの処理には「次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水や加熱による処理がある」とし、嘔吐物は「使い捨てのガウン、マスクと手袋を着用し」て拭き取り、「次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします」と示しています。石けん、流水を出せる手洗い設備、家庭用漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウム、使い捨て手袋とマスク、ペーパータオルが備蓄の基本です。
国の指針は避難所に何を求めていますか?
内閣府(防災担当)の「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)は「マスク、手指消毒液の用意、避難所内の適切な換気の実施、避難所内の清掃や消毒、清潔保持等、避難所の衛生管理を適切に行うこと」を求めています。あわせて「トイレや入浴、避難所の清掃、洗濯、器材の洗浄などの用途に欠かせない『生活用水』の確保」のため「平時からタンク、貯水槽、防災井戸等の整備に努めておき、衛生的な水を継続的に確保すること」としています。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
手洗い場所と生活用水、次亜塩素酸ナトリウムと保護具、換気と清掃の当番を運営計画に入れてください。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、避難所のプライバシーテント「シェルパー」と簡易ベッド「シェルベッド」に加え、化学物質無添加で有用微生物(バチルス菌)の力で悪臭のもとを分解する消臭液「大和バイオリキッド」を自治体向けに提供しています(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. 手指消毒液は不要ですか?
A. 指針は手指消毒液の用意を求めています。厚生労働省のQ&Aは、エタノールは手洗いの代用にならないとしており、両方を備えて手洗いを基本にします。
Q. 次亜塩素酸ナトリウムはどこで手に入りますか?
A. 家庭用の塩素系漂白剤に含まれています。使い方と濃度は厚生労働省のQ&Aや製品の表示に従ってください。
Q. 家庭でできる備えはありますか?
A. 石けん、塩素系漂白剤、使い捨て手袋、マスク、ペーパータオルを備蓄し、手洗い用の水を飲料水とは別に確保しておくことです。
まとめ
手洗い・次亜塩素酸ナトリウム・換気と清掃・生活用水の四つで、アルコール消毒の穴を埋めます。出典:厚生労働省ノロウイルスに関するQ&A/内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)