結論:国土地理院は「だいち2号」「だいち4号」の干渉SARで地表の変動を監視しています。斜面崩壊を事前に特定する運用はまだなく、備えは避難情報が基本です。
干渉SARとは何ですか?
国土地理院は「干渉SARは、宇宙から地球表面の変動を監視する技術です。干渉SARを使うと地震や火山活動に伴う地表の変動を目で見える形で捉えられます」と説明しています。同院は「先進レーダ衛星『だいち4号』及び陸域観測技術衛星2号『だいち2号』の観測データを利用した解析を行い地殻・地盤変動を監視」しており、同じ場所を繰り返し観測し、地面の動きを面で捉える仕組みです。
衛星データで何が分かるようになったのですか?
JAXAは2023年3月28日、「だいち2号」の8年に及ぶSAR観測データを用いた干渉SAR時系列解析で、全国の地殻変動分布図を初めて公開しました。用途として「測量の基準(国家座標)の維持管理」や「地盤沈下調査等の空間分解能の向上」を挙げ、火山活動や地盤沈下などによる地殻の変動を可視化できるとしています。
斜面崩壊は衛星で予測できるのですか?
干渉SARが得意なのは、地面がゆっくり動き続ける変動を面で捉えることです。一方、大雨の最中に斜面がいつ崩れるかを衛星単独で事前に特定する運用は、現時点で国土地理院・JAXAの公表資料には示されていません。住民の直接の判断材料は、これまでどおり自治体の避難情報と土砂災害警戒区域を示すハザードマップです。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
衛星データの精度が上がっても、避難を受け入れる側の準備は変わりません。土砂災害警戒区域を抱える自治体は、警戒レベルに応じた早期避難の呼びかけと、開設直後の避難所で世帯ごとの区画とベッドを整える計画を組み合わせてください。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、避難所のプライバシーテント「シェルパー」と簡易ベッド「シェルベッド」を自治体向けに提供しています(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. だいち2号とだいち4号は何が違いますか?
A. 国土地理院は両衛星の観測データを解析に使っています。だいち2号は2014年打ち上げで8年以上の蓄積があり、だいち4号は先進レーダ衛星として観測を引き継いでいます。
Q. 干渉SARの結果は一般の人も見られますか?
A. 国土地理院の「干渉SAR」ページに解析結果やトピックスが公開され、JAXAも全国地殻変動分布図の公開を発表しています。
Q. 土砂災害に備えて家庭で何をすべきですか?
A. 自宅が土砂災害警戒区域に入っているかをハザードマップで確認し、自治体の避難情報が出たら明るいうちに避難することです。衛星の観測はその判断を支える技術です。
まとめ
衛星の干渉SARは地表の動きを面で捉える技術で、監視の目は確実に増えました。予測の断定より、避難情報とハザードマップで動く備えを続けましょう。出典:国土地理院干渉SAR/JAXA「だいち2号」による全国地殻変動分布図の初公開について(2023年3月28日)