結論:被災地の孤立を防ぐ骨組みは、社会福祉協議会等の相談員による巡回と、国が求めるコミュニティ維持です。
誰が被災者の様子を見に行くのですか?
厚生労働省の「被災者見守り・相談支援事業」は「仮設住宅における避難生活の長期化等を踏まえ、被災者がそれぞれの地域の中で生き生きと安心して日常生活を営むことができるよう、社会福祉協議会等に相談員を配置し」、「相談員による仮設住宅や災害公営住宅等の巡回などを通じた被災者の見守り・相談支援」を行う仕組みです。訪ねていく人がいる、という設計になっています。
見に行くだけで足りるのですか?
同事業には「その他被災者の見守り・相談支援と一体的に行われる取組」として「仮設住宅や災害公営住宅における住民交流会の開催」が含まれます。さらに「被災者見守り・相談支援調整会議」の開催などを通じて、地域の団体間で活動内容を調整し、困難な事例を検討する支援ネットワークを築くこととされています。個別訪問と、人が集まる場と、つなぐ会議の三点です。
避難所を出た後はどうなるのですか?
内閣府(防災担当)の取組指針は「避難所の再編に際して、コミュニティ維持に配慮すること」とし、さらに「住まいや仕事の確保、訪問等による個別相談、地域の人間関係づくりのための茶話会や季節行事等とあわせ、避難所の解消後のコミュニティの維持・再生のことも考慮し、総合的に対応すること」を求めています。移動販売や物資配布に来る民間の担い手も、この人のつながりを支える一員になり得ます。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
避難所の段階から、人が顔を合わせる場と、ひとりになれる場の両方を設計してください。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、中に間仕切りのある2人用で、工具もパーツも使わず約1分で設置・収納できるポップアップ式プライバシーテント「シェルパー 2-14Z4」を自治体向けに提供しています(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. 移動販売車は公的な心のケアの制度なのですか?
A. 制度ではありません。公的な骨組みは相談員による見守り・相談支援と住民交流会で、移動販売はそれを支える民間の活動として位置づけるのが正確です。
Q. 相談員はどこに置かれるのですか?
A. 厚生労働省の資料では、実施主体は国又は被災三県及び管内市町村等で、社会福祉協議会等に相談員を配置するとされています。
まとめ
訪ねる人、集まる場、つなぐ会議。この三つがそろって初めて孤立が防げます。避難所の設えも、その延長線上で選んでください。出典:厚生労働省被災者見守り・相談支援事業(PDF)/内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)