結論:公的な備蓄ガイドが第一に挙げるのは電源ではなく燃料です。カセットボンベは1人1週間で約6本。

停電したら何で調理するのですか?

農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」は、カセットコンロを備える理由として「地震などの災害発生後、電気・ガスが普及していない場面で、温め・沸かす・調理をするのに、カセットコンロが便利です」と説明しています。ポータブル電源を否定するものではありませんが、国のガイドが停電下の調理手段としてまず挙げているのは燃料を持つ器具のほうです。

どれくらい備えればいいのですか?

同ガイドは本数まで示しています。「1人/1週間当たり、カセットボンベ約6本の備蓄が必要となります」。4人家族の1週間なら24本という計算です。あわせて「水はペットボトルの飲料水、ガスはカセットコンロとカセットボンベ、さらに湯を沸かせるやかんや鍋など必要なものを用意しておきましょう」とされています。器具だけ買って鍋がない、という抜けが起きやすいところです。

買っておけばずっと使えますか?

期限があります。同ガイドは使用期限の目安を「ボンベ:約7年、コンロ:約10年」としています。数年に一度は入れ替えが必要で、購入日を本体に書いておくと点検が楽になります。なお電源で動く調理器具は消費電力が大きく、容量から使える時間を逆算しておかないと、いざというときに一度も温められないことがあります。

自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?

火を使う以上、初期消火とセットで考えてください。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)が扱う初期消火ボールは、直径15cm・重さ1.5kgで、リン酸アンモニウム(ABC薬剤)を用い、炎を感知すると3秒で破裂して有効範囲 半径約1.5mに薬剤を散布します。普通火災・油火災・電気火災に対応し、設置用のスチール製ブラケットが同梱されています(防災事業ページ)。

よくある質問

Q. 非常食さえ備えておけば足りますか?

A. 足りません。同ガイドは「非常食を食べるには、飲料水が不可欠です」とし、「お湯を用意できればレトルト食品やカップ麺、袋麺、フリーズドライのスープ、パスタなど食べられる食品の幅を広げてくれます」としています。食料・水・熱源は三点でひと組です。

Q. ポータブル電源は無駄になりますか?

A. なりません。照明・通信・医療機器など電気でしか動かないものがあります。ただし調理のような消費電力の大きい用途を電源だけに任せる備え方は、ガイドの想定とは異なります。

まとめ

温かい食事の担保は、電源より先に燃料です。ボンベの本数と期限、そして鍋。今日数えられます。出典:農林水産省災害時に備えた食品ストックガイド(7)