結論:災害時の特例は誰でも使えるものではなく、国・自治体と、その依頼を受けた者が対象です。

災害時には規制が外れるのですか?

一部が外れます。国土交通省の審査要領は「航空法第132条の92は、事故や災害等の発生時における人命の捜索、救助等が極めて緊急性が高く、かつ、公共性の高い行為であることから、当該捜索、救助等に支障が出ないよう、航空法第132条の85による無人航空機の飛行の禁止空域に関する規定や航空法第132条の86による飛行の方法に関する規定などの適用を除外する」と説明しています。手続きを省くためではなく、間に合わせるための特例です。

誰が使えるのですか?

対象は限られます。同要領は特例の適用を受ける者を「国又は地方公共団体」「国又は地方公共団体の依頼により捜索又は救助を行う者」と定めています。さらに緊急性についても「飛行の許可・承認申請の対応窓口への申請を行う手段又はいとまがない状況であること」と注記されています。自社判断で飛ばしてよい、という意味ではありません。

物資を運ぶ飛行も特例の対象ですか?

対象になりえます。同要領は「特に大規模災害発生時においては、多数の道路の寸断や集落の孤立が発生する可能性があることから、被災地の孤立地域等への医薬品、衛生用品、食料品、飲料水等の生活必需品の輸送、危険を伴う箇所での調査・点検のほか、住民避難後の住宅やその地域の防犯対策のための無人航空機の飛行も含め」特例に該当する飛行として取り扱うとしています。なお平時に人の上空を補助者なしで飛ぶレベル4飛行には、第一種機体認証と一等操縦者技能証明が必要です。

自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?

空から届くのは物資までで、受け取った先の場所は地上で用意する必要があります。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)の折りたたみ式簡易ベッド「シェルベッド SBCT65」は、超々ジュラルミンと呼ばれるアルミ合金7075を用い、耐荷重300kg(7日間)、展開時 約190×65×40cmで、孤立地域に開く臨時拠点にも運び込めます(防災事業ページ)。

よくある質問

Q. 特例が使えれば、安全確認も省けますか?

A. 省けません。同要領は「特例の対象となる飛行においても、飛行の安全性を確保することは言うまでもない」とし、使用者・操縦者が自主的に安全確保を行う必要があるとしています。

Q. レベル4飛行の制度はいつ始まったのですか?

A. 国土交通省は2022年12月5日から無人航空機の新制度を開始しました。有人地帯での補助者なし目視外飛行がレベル4飛行(カテゴリーⅢ)にあたります。

まとめ

災害時に飛ばせるかどうかは、機体の性能より「誰の依頼で飛ぶか」で決まります。平時に自治体と話をしておいてください。出典:国土交通省無人航空機レベル4飛行ポータルサイト