結論:国の仕組みは「新たに雇う」ではなく「在籍型出向で受け入れる」。受け入れ側は全国の企業が対象です。
被災した人を受け入れる公的な仕組みはあるのですか?
あります。厚生労働省の「産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)」は、令和6年能登半島地震の影響で事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合に、出向元・出向先の双方の事業主へ出向期間中の賃金の一部を助成する制度です。働く人は元の会社に籍を残したまま、別の会社で働きます。
「雇用」ではなく「出向」なのはなぜですか?
戻る前提があるからです。この制度では、出向期間終了後に元の事業所へ復帰することが前提とされ、出向期間は1か月以上2年以内と定められています。被災地の会社が人を手放さずに済み、働く人も収入と職を失わない——雇い入れではなく出向という形にしているのは、その両方を同時に守るためです。
自社は対象になりますか?
受け入れ側の地域は限定されていません。出向元は石川県七尾市、中能登町、羽咋市、志賀町、宝達志水町、輪島市、穴水町、珠洲市、能登町に所在する雇用保険適用事業所とされる一方、出向先は全国の雇用保険適用事業所が対象です。ただし出向元と出向先は資本的・経済的・組織的に独立していることが要件で、出向の開始は令和6年12月17日から令和8年12月31日までの間とされています。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
遠方から人を受け入れるなら、住まいが決まるまでの数日をしのぐ備えも要ります。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)の折りたたみ式簡易ベッド「シェルベッド SBOT70」は、バンドを外して開くだけのワンタッチ式で約10秒で組み立てられ、耐荷重300kg(7日間)、展開時 約190×70×40cm、1台あたり約6.3kgです(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. 助成の額はどのくらいですか?
A. 厚生労働省の公表によれば、助成率は中小企業が4/5、その他が2/3で、上限額は出向元・出向先の合計で9,110円(令和8年8月1日時点)です。金額と期限は改定されるため、申請前にハローワークまたは労働局へご確認ください。
Q. 出向ではなく離職してしまった人への支援はありますか?
A. 厚生労働省は「災害時における雇用保険の特例措置等について」として、災害により休業や一時的な離職を余儀なくされた方が雇用保険の基本手当を受給できる特例措置を案内しています。
まとめ
善意で人を雇う前に、まず制度の形を合わせてください。在籍型出向なら、被災地の会社も働く人も失わずに済みます。出典:厚生労働省産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)