結論:テレワークは要員を確保する有効な一手ですが、代替拠点と情報セキュリティとセットでなければ計画になりません。
国はテレワークをどう位置づけているのですか?
内閣府(防災担当)の「事業継続ガイドライン」(令和5年3月)は、要員確保の観点での戦略・対策として「テレワークでの実施が可能な業務はテレワークを活用する。テレワークの実施が困難な業務や業種については、交通機関が混雑する時間を避ける時差通勤、執務場所の分散、交代勤務制等の…多様な働き方を導入する」と示しています。全社の切り札ではなく、可能な業務から使う手段という書き方です。
テレワークだけで足りるのですか?
足りません。同ガイドラインは「何らかの被害により本社が使えなくなることも必ず想定すべきであり、代替戦略として、同時に被災しない拠点を代替拠点として確保する必要がある」としています。在宅で働ける業務があっても、意思決定と中枢機能をどこで動かすかは別に決めておく必要があります。
見落とされやすい落とし穴は何ですか?
情報の扱いです。同ガイドラインは「テレワークにより業務を継続する際には、情報の取り扱いや情報セキュリティ対策についても考慮する必要がある」と明記し、令和5年3月改定の趣旨としても「テレワークの導入及びオンラインを活用した意思決定を行える仕組みの整備」と「情報セキュリティー強化」を並べて挙げています。持ち出す仕組みと守る仕組みは同時に作るものです。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
テレワークができない業務を洗い出し、その要員が出社したときに滞在できる場所と物を用意してください。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、超々ジュラルミンと呼ばれるアルミ合金7075を使い、耐荷重300kg(7日間)・展開時 約190×65×40cm(低い状態では高さ約18cm)に組める超コンパクトな折りたたみ式簡易ベッド「シェルベッド SBCT65」を、企業の一時滞在スペース向けに提供しています(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. テレワークは「最大の震災対策」といえますか?
A. ガイドラインは対策に順位をつけていません。要員確保の一手段として示されており、代替拠点や情報の維持と組み合わせて評価するものです。
Q. 台風など事前に分かる災害では何をしますか?
A. 同ガイドラインは、気象警報や計画運休などを踏まえ「早期の判断によるテレワーク実施、特別休暇制度の推進等による外出抑制対応の決定」を挙げています。
まとめ
テレワークは「人を動かさずに済ませる手段」であって、拠点と情報の備えを置き換えるものではありません。三つを並べて計画にしてください。出典:内閣府(防災担当)事業継続ガイドライン(令和5年3月・PDF)