結論:優遇の対象は備蓄品そのものではなく設備です。計画の認定を受ければ特別償却16%を使えます。
どんな税制優遇があるのですか?
中小企業庁の「中小企業防災・減災投資促進税制」は、「事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画に対象設備の投資を行うことを記載して認定を受けた中小企業者が、認定後1年以内に予定していた設備導入を行った場合に、特別償却16%を適用できる」と定めています。対象者は「令和9年3月31日までに『事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画』の認定を受けた中小企業者」です。
水や食料の備蓄も対象になりますか?
対象は設備です。同資料が挙げるのは、機械及び装置(取得価額100万円以上)の「自家発電設備、浄水装置、揚水ポンプ、排水ポンプ、耐震・制震・免震装置等」、器具及び備品(40万円以上)、建物附属設備(60万円以上)の「貯水タンク、浄水装置…格納式避難設備、止水板…防水シャッター等」です。水や食料といった消耗品の購入費は、この特別償却の対象設備には挙がっていません。
備蓄を地域へ開放する仕組みはありますか?
内閣府(防災担当)の「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)は「指定避難所として指定していない施設であっても、発災時に近隣の人が集まると想定される場合には、事前に協定や届出を結ぶことにより、協定・届出避難所として位置付け、災害用物資を備蓄する必要がある」とし、「行政も物資の提供など必要な支援を行うこと」としています。自社施設を地域に開くなら、この協定が入口です。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
設備は税制、備蓄品は自社負担、地域開放は協定、と分けて計画に落としてください。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、耐荷重300kg(7日間)・展開時 約190×70×40cmの折りたたみ式簡易ベッド「シェルベッド SBOT70」を、企業の一時滞在スペースや協定避難所向けに提供しています(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. 特別償却と税額控除は違うのですか?
A. 違います。中小企業庁の資料が示す支援措置は「特別償却16%」で、税額そのものを差し引く税額控除ではありません。
Q. 計画の認定を受ければいつまでに設備を買えばよいですか?
A. 資料は「認定を受けた日から1年以内に取得等をする」設備を対象としています。
まとめ
企業防災の優遇は「計画を認定してもらい、設備に投資する」形で用意されています。備蓄品と地域開放は、税とは別の道筋で組み立ててください。出典:中小企業庁中小企業防災・減災投資促進税制(PDF)/内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)