結論:内閣府のガイドラインは、調達先を複数化しても「2段階以上先の調達先が同一」で被災する場合に留意し、さらに先の調達先の事業継続能力の把握を求めています。

なぜ直接の取引先だけでは足りないのですか?

内閣府(防災担当)の「事業継続ガイドライン」(令和5年3月)は、分業と外注化が進んだ結果「原材料の供給、部品の生産、組立、輸送、販売などに携わる企業・組織のどれかが被災すると、サプライチェーン全体が止まり」かねないと指摘しています。同ガイドラインは「2段階以上先の調達先が同一となり、そこが被災する場合にも留意」と明記しています。複数の取引先が同じ1社から仕入れている構造は珍しくありません。

ティア2以降を可視化するにはどうすればいいですか?

ガイドラインは供給先・調達先との連携として「調達先の事業継続能力の把握」「さらに先の調達先企業の事業継続能力の把握要請」を挙げています。実務では①重要製品ごとに部品表から主要部材を洗い出す ②ティア1に「その部材の調達先と所在地」を照会し、同一地域・同一企業への集中を表にする ③集中している部材から順に代替調達先や在庫の持ち合いを検討する、の3手順です。

集中が見つかったらどんな対策がありますか?

ガイドラインが挙げる対策は「調達先の複数化や代替調達先の確保」「在庫持ち合い」「事業継続に関する共同訓練」「代替調達の簡素化(汎用部品の使用など設計仕様における考慮等)」です。設計段階で汎用部品を選ぶ簡素化は調達部門だけでは決められず、経営者の関与をガイドラインは繰り返し求めています。

企業の防災担当者は何を準備しておくべきですか?

供給網の代替戦略と並んで、被災時に自社拠点で業務を続ける従業員の環境も事業継続の一部です。復旧要員が数日間社内に留まる場合の寝具を、備蓄計画に入れてください。Ten All Ten Pillar株式会社のシェルベッド SBOT80は幅80cmのワイドタイプで、バンドを外して開くだけの約10秒で組み立てられ、耐荷重300kg(7日間)、1台約6.9kg、収納時約110×25×16cmです。

よくある質問

Q. ティア2以降の情報は取引先が教えてくれますか?

A. 内閣府ガイドラインは「さらに先の調達先企業の事業継続能力の把握要請」を連携策として挙げています。共同訓練や在庫持ち合いと組み合わせて依頼すると合意しやすくなります。

Q. 中小企業でも必要ですか?

A. ガイドラインは企業規模や業種を問わず全ての企業・組織を対象としています。重要製品1つの主要部材から始めれば、規模に応じた取り組みができます。

Q. BCPとは何ですか?

A. ガイドラインは、不測の事態が発生しても「重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画」を事業継続計画(BCP)と定義しています。

まとめ

サプライチェーンの弱点は、直接の取引先の先にあります。止まると事業が止まる部材から可視化し、複数化・持ち合い・汎用化で備えましょう。出典:内閣府(防災担当)事業継続ガイドライン(令和5年3月・PDF)