結論:避難生活ではレンズケアの水と清潔が確保できません。予備の眼鏡を持ち出し袋に入れておくことが備えの中心です。
なぜ避難生活でコンタクトレンズが問題になるのですか?
消費者庁は「コンタクトレンズは視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズも含めて医療機器(高度管理医療機器)であり、適正に使用しなければ眼障害を引き起こす可能性があります」と注意喚起しています。適正使用の柱は「使い方を守り、適切なレンズケアを行いましょう」。断水と手洗い制限が重なる避難所は、この前提が崩れやすい環境です。
実際にどのくらい事故が起きているのですか?
同資料によると、事故情報データバンクには平成28年1月から令和3年7月までの約5年半の間にコンタクトレンズに関する事故情報が242件寄せられ、うちカラーコンタクトレンズによるものが75件、「治療に1か月以上要した事例も6件」報告されています。平時でもこの件数がある以上、水も清潔も乏しい状況で装用を続ける判断は勧められません。
目に異常が出たらどうすればいいですか?
消費者庁は「目の充血や異物感、痛み、まぶしさ、かゆみなどの異常を感じたら、すぐにレンズを目から外し、直ちに眼科医に相談しましょう」としています。避難所で受診がすぐにできない場合でも、まず外すという第一手は変わりません。だからこそ、外した後に見える手段=眼鏡が要ります。
自治体・企業の担当者は何を準備しておくべきですか?
手洗いに使える水は飲料水とは別枠です。内閣府(防災担当)の取組指針は「平時からタンク、貯水槽、防災井戸等の整備に努めておき、衛生的な水を継続的に確保すること」を求めています。あわせて、Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)は、工具もパーツも使わず約1分で設置・収納でき、バリアフリー設計のポップアップ式プライバシーテント「シェルパー 2-14Z2」を、着替えや器具の付け替えに使える個室として提供しています(防災事業ページ)。
よくある質問
Q. 予備のコンタクトレンズを持ち出すのは無駄ですか?
A. 無駄ではありませんが、水と清潔が前提です。消費者庁が求める適切なレンズケアができない間は、眼鏡に切り替えるほうが安全です。
Q. 度が古い眼鏡でも役に立ちますか?
A. 見え方は落ちますが、外したレンズの代わりになります。持ち出し袋に1本入れておくことが、まず取れる手です。
まとめ
コンタクトレンズは医療機器です。ケアできない環境では外す、そのために眼鏡を備える。この順番が避難生活の視力を守ります。出典:消費者庁コンタクトレンズによる眼障害について(令和3年9月10日)/内閣府(防災担当)避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定・PDF)