結論:サプライチェーンは相互依存で、1社の事業中断が全国へ連鎖します。防災白書は仕入先の複数化と企業間・業種を超えた連携を不可欠としています。

なぜ自社だけの備えでは足りないのですか?

内閣府の「令和6年版 防災白書」は「各産業はサプライチェーンを通じて相互依存関係にあり、1社の事業中断が、全国へと連鎖的に広がり、国内外の関連企業や産業全体に影響が波及する」と指摘しています。自社の工場が無事でも、部品を作る会社の、そのまた材料を作る会社が止まれば製造は続きません。被害は距離ではなく、つながりの経路をたどって伝わります。

企業のBCP策定はどこまで進んでいますか?

同白書が引く令和5年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査では、BCP(事業継続計画)の策定率は大企業76.4%(前回・令和3年度は70.8%)、中堅企業45.5%(同40.2%)です。策定中を含めると大企業85.6%、中堅企業57.6%となります。取引先の半数近くはまだ計画を持っていない可能性があるという読み方もできます。

供給網はどこまで把握すればいいですか?

白書は事前の備えとして「仕入先の複数化、企業間や業種を超えた連携等」が不可欠だとしています。実務では、まず止まると自社の生産が止まる部材を数点に絞り、その直接の取引先と、その先の調達元までを聞き取ります。全取引先を網羅するより、影響の大きい経路を深く見るほうが先です。国の考え方は内閣府「事業継続ガイドライン」(令和5年3月)にまとまっています。

総務・調達の担当者は何から着手すべきですか?

重要部材の一覧、代替調達先、連絡がつく担当者名の3点を1枚にまとめることから始めます。あわせて、自社に泊まり込みで対応する要員の環境も決めておきます。Ten All Ten Pillar株式会社(奈良県天理市)の折りたたみ式簡易ベッド「シェルベッド SBOT70」は約10秒で組み立てられ、耐荷重300kg(7日間)、重量約6.3kgで、事業所の仮眠用途にも使えます(防災事業ページ)。

よくある質問

Q. 中小企業でもBCPは必要ですか?

A. 白書はサプライチェーンの相互依存を前提に、1社の中断が全体へ波及すると述べています。規模にかかわらず、取引先から策定状況を問われる場面が増えています。

Q. 仕入先を複数化するとコストが上がりませんか?

A. 全部材を二重化する必要はありません。止まると生産が止まる部材に絞って複数化を検討するのが現実的です。

Q. 国の指針はどこにありますか?

A. 内閣府の「事業継続ガイドライン」(令和5年3月)が公開されています。

まとめ

供給網の備えは、広く浅くより「止まると困る一点を深く」です。重要部材と代替先を今日1枚に書き出しましょう。出典:内閣府令和6年版 防災白書(1-7 事業継続体制の構築)/事業継続 知る・計画する(防災情報のページ)