「逃げられない人」を、地域全体で支える仕組みが問われている。

【個別避難計画とは】
個別避難計画とは、自力での避難が困難な高齢者や障害者など「避難行動要支援者」一人ひとりについて、誰が、どのルートで、どこへ避難を支援するかを具体的に定めた計画です。2021年の災害対策基本法改正により、市区町村に作成の努力義務が課されました。

【作成が進まない理由】
計画の作成には、対象者の状況把握、支援者の確保、避難ルートの確認など、多くの手間と人手が必要です。しかし、多くの自治体では担当職員が不足しており、対象者全員分の計画を作成できていないのが現状です。

【解決に向けた取り組み】
ケアマネジャーや民生委員との連携強化が有効な手段として注目されています。日頃から対象者と接している専門職が計画作成に関わることで、実態に即した内容になります。また、作成費用の助成拡充も、自治体の取り組みを後押しする重要な施策です。

【具体例】
ある自治体では、ケアマネジャーが担当する利用者の個別避難計画を、ケアプランと同時に作成する試みを導入。専門職の知見を活かすことで、作成効率が大幅に向上し、対象者の実情に合った計画が完成しました。

【まとめ】
個別避難計画は、「誰一人取り残さない避難」を実現するための根幹です。担い手不足という現実的な壁を乗り越えるために、地域の専門職や住民が一体となって取り組む体制づくりが急務です。

【専門家からのアドバイス】
防災の専門家は、個別避難計画、作成率について「知識を持つことと、実際に備えることは別物」と強調します。頭でわかっていても、体が動かなければ意味がありません。定期的な訓練と見直しを通じて、知識を行動に変える習慣を身につけることが、真の備えにつながります。